雪月桜 2017-06-18 01:44:33 |
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「っ、…ぅ」
肩の痛みは耐えられるが右手に持つ銃に力が入らない。
左でも使えない事はないが、右手より照準が悪くなる。
先ほどの狙いすらも避けられたというのに、左手で倒せるとは思えない。
二撃目は何とか避けられたが、これでは卯月に勝ち目はないと言えるだろう。
(逃げるか?それだけなら出来そうだな…)
背後に僅かな視線をやり逃走経路を確認すると、路地を塞ぐ物は特にない。
上着の内側に隠していたナイフを一本左手に持ち、卯月は隙を狙う。
目の前の男は退屈そうな瞳で卯月を見つめていた。
「君も他の人と同じだね。もう飽きたよ」
そんな男を睨みつけ、茅人は苦笑する。
「飽きたなら見逃してくれないか?俺もそろそろ帰りたいんだ」
近距離で狙うのは男がナイフを持つ右手。
殺傷力は低いが武器を持つ手を攻撃されれば、少しの隙は出来るはずだ。
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