雪月桜 2017-06-18 01:44:33 |
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卯月は店に入るなり内装を確認してある。
出入口は店のものと、おそらくカウンター奥にある裏口だけ。
窓は填め込み式の物と、小さな小窓だけ。
トイレ内には小窓があったが、猫が通るのがやっとと言えるくらい小さいし、隣接してある納戸は掃除道具しかなかった。
そんな風に間取りを思い出していると、卯月はある事に気づく。
(そういえばあの納戸、物が多いわりに随分と片づいていたな…まさか)
卯月は自身の感を信じ、テーブルの上に数枚の紙幣を乗せ店を出る。
木斬の国の通貨は理(リ)である。
自販機の水のボトルが百理なら、先ほどの店の珈琲は六百理。
そして卯月の置いてきた代金は二千理である。
急な事のため高い珈琲代になったが、卯月の感が当たりならば惜しくはなかった。
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