舞台の幕が下りれば観客はただの人間の集団だ。
夢のような黄色と青と赤に彩られたテントの奥ではきらびやかな照明が揺れているように見えたことだろう。それもよくよく見てみると、数個飛ばしに消えていたりもする。
現実というのはいつだって、気が付いた時には汚く脆く、理想とは程遠い。
背後から首を締め上げるように回る白手袋は僕の頸動脈を緩く撫でながら今日の舞台の評価をする。
「最高だった」と、そう言ってもらえたなら上々。
サーカスのショーの舞台の裏、人間に見世物として人間の前に立つ僕の仲間。
消すも捨てるも僕次第、僕が消されるのは…
これが理想のショータイム、綺麗事なんて無い残酷な世界で僕達は生きている
(レス禁)