21443 2017-06-10 02:07:13 |
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…痛いのは嫌だ。
ルッツ、ルッツ?ねえ、嫌だ、嫌だ
(無表情と、作り物のような紫の瞳。頬を撫でる手は優しくて、それだけで絆されそうになる。大人しく、抵抗なんてしない。いつもの噛み場所、何度も付けられた痕は見えないけれどきっと酷い色をしているはず。そこに埋められた顔を、そっと頭ごと抱き締めるように腕を回すもぐらりと揺れた身体に思わずルートヴィヒの名前を何度も呼んで。首に這う熱、治りかけの傷口を抉るような痛み、それが身体を縛るように首から広がって空気を貪るように口を動かすも、苦しさと痛さで涙が頬を伝う。滲んだ視界では客席なんて見えやしない、けれど伝わる熱気が肌を焦がすようで頭の奥が痺れていくのが分かる。普段と違う熱気に晒されて駄々を捏ねるように「嫌だ」と小さく声を漏らし)
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