ALTAIR 2017-06-09 15:09:52 |
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Diary 6/9
彼女とDVDを借りに行った。
俺は一人の時はホラー映画を観るが
彼女は恋愛映画を観たいと言うので任せたら
手に取ったのが三島由紀夫の『春の雪』
まさかこれを観ることになるとは…
先に述べるが、此の作品は三島由紀夫の小説
『豊饒の海』の「春の雪」からなる作品である
小説は高校の時に読んだきりだったので
少しワクワクしながら観た。
映画のストーリーを簡潔に言うならば
未熟故に意地を張り素直になれなかった青年が決定的に彼女が自分の手から届かなくなった後でようやく愛を認め許されぬ恋に身をやつしていく。
聡子と清顕の純愛と言うべきかは…?
映像は流石、行定監督、原作の文学的な美しさをそのまま映像にしてくれたかのような素晴らしさだった。
小説は難しくて苦手でも映画なら観たいかも?
と言う感じならばオススメ。
映画の主題歌 宇多田ヒカルのBe My Last
忘れないうちに感想を記す
【映画の感想】
自分の手の届く存在、いつでも自分のものにできる状況にあるうちは、彼女は彼にとって恋愛対象にならなかったが、彼女の皇室への輿入れが決まった瞬間に「絶対の禁」を犯して手に入れる、彼にとっての「究極の恋愛」が成立したわけです。その意味では「究極の自己中男」。そして彼と共に「絶対の禁」を犯して結ばれながらも最終的に「今生では逢わぬ」ことを決断する彼女もまた「自己中女」。自己中の男女の対決といってもよい、このあまりにも特殊な恋愛は古今のいかなるラブストーリーよりも俺は好き。瀕死の状態で足を引きずりながら、彼女の入った尼寺へと向かう彼の姿は、いかなるスーパーヒーローよりもヒロイック。
しかしながら、これはあくまで映画版ストーリー
原作の主題は「輪廻転生」であるが、原作と違い春の雪で完結とするこの映画ではその主題をうまくすり替えていたように思う。
『豊饒の海』の天人五衰を読んだ人で展開がよく分からないまま、映画版を観ても春の雪の謎が解けぬまま。(まあ、これはこれで一つの違う作品として観るのであれば別だが。)
解きたい方は、もう一度小説を読み返してもらいたい
「春の雪」という物語「奔馬」という物語「暁の寺」という物語は全て、本田の「阿頼耶識」の中にあるとだけ書いて置こう。
それでも謎が解けぬままモヤモヤしている方は
最後に夏の寺の庭の場面が出てきますよね、
あのシーンと「花さかりの森」のそれを読み比べてみて下さい。恐ろしいほど類似点があるから。
宇多田ヒカル/Be My Last
再生とか繰り返しとか何かが始まってそれが育った時点でまた壊してとか人生はそれの繰り返しでそれが辛いから終わってほしいなあっていう気持ちを中心にした歌詞かな。
この人の曲の中で一番共感した曲だった。
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