チェシャ猫 2017-06-07 23:59:21 |
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(暑い日のジェラートと言えば安定とした美味しさを与えてくれるが、秋風がふうと時折吹きすさぶ寒い中に食べるのも悪くないのだ。此処の住人ですらこの良さに気付かずにこれからの季節は違う物を食べようと言い出す始末な訳で、相手の口からそれを肯定するような反応がもどされると自然とご機嫌になってしまう。機嫌よく口元に笑みを浮かばせたまま「パンプキンのジェラードと、バニラを」と己の分の注文を行って。支払いをこなせば引き換えに差し出されたジェラートの乗るコーンを二つ受け取って、一つを彼へ差し出せば「はい、どうぞ」と一声を添えて。ひんやりと冷たいジェラートを嗜みながら賑わう出店街を歩きつつ「此処に来るとどうしても財布の紐が緩んでしまって、……後になってから後悔するような物も買っちゃうんですよねぇ」ちらり、ちらり、と通り過ぎる際に右左と売られる商品や時折掛けられる声に耳を傾けて"ふふ"と小さく笑い声を交えれば他愛のない世間話の一つの様に言葉を続けて。漸く見えてきた魚介類を扱う店舗に「ほら、そこが魚屋です」と指を差し教える様に声を掛けて)
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