赤の王 2017-06-04 16:26:15 |
通報 |
>三月兎
親しみがある、と受け取っておこうか。
(初対面だというのに遠慮の無い物言いをする相手の潔さにクク、と零れだす笑みを抑えるように拳を口元へ当てながら答えて。「それは光栄だね。君に覚えてもらえる理由になるなら、この色をくれたカミサマに感謝しなくちゃ」相手の髪に触れていた指を今度は自分のそれに運び掻き上げて。アリスという識別の無い呼称に少なからず不満を覚えていたも、この色が個性になると聞けばすっかり気分がよくなってしまって。「ああ、なるほど。彼は真面目そうだからね。そういうトコロ、しっかりしてるんだね」この世界へ来て初めて王に出会った時のことを思い出し、突然の訪問の理由に合点がいくと深く頷き。「ヘェ、芸術家……。どこかで君の作品を見ることはできる?」今まで接する機会の無かった職種にほうと目を丸くすれば、壁へ預けていた体を起こしてぐいと相手の方へ迫らせて)
トピック検索 |