赤の王 2017-06-04 16:26:15 |
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>ギード
アイスはいいねぇ、甘くて美味しい。食べてる途中に溶けさえしなければもっと良い(バスケットに新しい手土産が増えると貰ったそれの使い道にうんうん、と頷きながらそれは良いとばかり賛成を。話の度に大きく揺れ動く身体を支えることが出来る程度には確りとした骨の体で良かったとくつくつ、と息を含むような笑い声を落とし。起きよう起きよう、意識はすれども気付けば揺れ霞む意識が遠のかないのは彼が上げる声の大きさやその身振り手振りのお陰だと気付かずに「ぼくは幻じゃないよ、ほら。ちゃんとアリスに触れるでしょ」何よりも今目の前に居るにも関わらず存在を幻と片付けられたのが腑に落ちず「此処は夢じゃないからねぇ、何したって目は覚めないし___アリスは迷い込んだらずぅーっと此処にいなきゃ」ほら、触ってご覧と言わんばかりに足を止め、自身が幻じゃなく確かに存在していることの証明をと得意気に支えていただけの体を抱き締めて。起きている、そんな油断が生まれ始め少しだけボーとし始めた頃耳に息が掛かればゾワッと肩を跳ねあげて驚きのままに右左と顔を揺らし。傍に居ても充分感じた酒の匂いがより強まった事で彼に息を吹きかけられたと遅れて理解し「酒飲みアリスはたまぁに、でも__アリスはみぃんなちっちゃい子が多いから。アリスとお酒なんて久しぶりだなぁ」その刺激により幾分か覚めた眠気に合わせて返事を向ければ「だから今日はとくべつ。明るいお酒も許される」にま、と嗜みとしてお酒を好んでいるからこそ彼との出会いを喜んで、庭園を抜ければ暫し森の中を突き進み「あそこがねぇ、ぼくらの家。お茶会するのは中庭なんだけど……三月兎も帽子屋も声が聞こえないからお仕事だ」耳を澄ませれば聞こえない声から庭にいないことを推測し、真っ直ぐにお茶会の会場に向かえば「お疲れさま、アリス。好きな席に座ってねぇ」ふらふらとした足取りながら確りと付いてきてくれたのを褒めるべく、支えるのに当てていた腕を離して)
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