失敗作実験体a 2017-06-02 01:50:26 |
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( 長い、酷く長い争いの末にようやく辿り着いた終着点は生の終わり。幾度となく再生を繰り返し痛みを覚えては忘れ、目の前に居る敵を倒す事だけを考えて生きてきたレールに疑問など浮かびもしなくて、与えられたものを成し遂げるだけの淡々とした日々を少しずつそれでも確実に変えてくれたのは自身を見下ろす相手だけ。同じ境遇で育ち憎みあってきた筈なのに一番の理解者であり、心のあり所である存在に気が付けばなっていたのが今では懐かしく思えてきて、仰向けで寝転びながら、思わず笑みが溢れ。鉛のように重たくなった身体はもう再生も効かずにしかしそれでも静かに打つ心臓の音は、まだ全身を波打っているようで、深く息を吸い込んでみると肺の痛みに思わず苦笑が浮かび。相打ちで終わることなど出来るはずもなく、それはそれで少しだけ寂しい気もするがもう憎まなくても良い、傷つけあわなくても良い、そう安堵した途端にやけに普段はあまり感じない睡魔のようなものに襲われ瞼が段々と重くなっていくのを感じこのまま眠ってしまっても誰も咎めはしないだろうかと考えていたが、不意に頬を濡らす水滴に閉じかけていた瞼を持ち上げ天を仰ぐようにして視線を動かせば霞んで見える視界の先で涙を浮かべている顔が映り。憎たらしい顔だったはずなのに今ではこんなにも愛おしい、出来ることならばその涙を拭ってやりたいと思うのに腕を持ち上げたくても数センチしか持ち上がらず力尽きて放り出し「 泣くな…、悪い事はしていない---終わらせてくれて、…ありがとう。 」きちんと声にもなっているかも怪しい枯れた言葉と音は相手に伝わっただろうか、苦しむ必要なんてない、もう二度と苦しまなくて済むようにしてくれたのなら感謝の言葉しかない。僅かに口の端を持ち上げて小さな笑みを浮かべて見せると、段々と視界が暗くなっていくのを感じ、もう目を開けているのも限界で全身は疲れきったように重く睡魔もこれ以上は待ってくれないようで。最後にどうしても伝えておきたい言葉があるのに、意思とは関係なく意識がぼんやりとそれでも確実に遠のいていくのが分かる。ちゃんと伝えてやれなかった大切な想い、独りじゃないとそう安心させてやる為の言葉なのに、どれだけ力を振り絞っても唇を微かに動かす事しかできず声にもならない。それでも何故か相手に届いているようなそんな錯覚に陥ると眠りにつくようにその意識を身体から手放していき )
( / 素敵なトピックに引かれて飛んでまいりました。ロルと致しましてはこちらが殺された描写をイメージして綴ったものになります。
相性重視と言うことですので合わないと感じましたら斬り捨ててくださいませ。 )
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