破壊は澱んだ密室で【戦闘/流血/ダーク/BL】

闇組織に貢献するとある研究所で行われた人体実験＿＿＿幾つもの失敗作を排出し、そしてついに究極の完全体が二体、この世に完成した。
完成体は人間と同じ臓器を持ちながら、異常な速さで細胞分裂を繰り返し、身体のどの部位を破壊されようが分裂は衰える事がない。究極の自然治癒能力を持つ――バケモノ。
二人の完全体は別々の闇組織に売られ、敵対する組織に身を置いたことで敵同士となった。

そして互いに課せられた命令＿＿
「あのバケモノを殺せ。」
組織の命を受け、 日常に紛れて暮らしながら、お互いの命を狙い続ける二人。
アイツを殺すまで、組織に戻れない＿＿長い間戦い続け、それでも死ぬことが出来ない、殺すことが出来ない。
お互いは顔を突き合わせれば有無を言わせず殺し合い、深く憎しみ合うが、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もそんな日々を繰り返して疲弊し、やがてポツリポツリと言葉を交わし始める


「･･･お前、とことんしつけぇな。いい加減＊＊よ」

『お前こそ＊＊よ』

「俺達、同じ場所で生まれたらしいぜ」

『覚えてねぇな』

「俺もだ」

「『･･･』」

『･･･さっさと殺り合おうぜ。今日もどっちかが死んだら終わりな』

「･･･ああ」




憎しみ合わねばいけない業を背負った二人だが、同じ苦しみや葛藤を共有しているのもまたお互いのみ＿＿＿その事に気付いた時、関係性は少しずつ変わり始めた

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