苺ミルクコーヒー 2017-05-27 22:10:36 |
通報 |
【承】-人間界の現状-
地面に落ちたバッコスは記憶を失い、たまたま彼を見つけた人間の女性に助けられる。この女性は、孤児院の世話係であった。
今の人間界はすっかり荒廃している。それでも人間たちは反省をせず、不平不満ばかりなのである。僅かな資源も、分け合おうとするのではなく、奪い合おうとするため、どこもかしこも戦争状態である。その所為で、戦争孤児もたくさんいる。
人間たちはすっかり「愛」も「感謝」も忘れており、それはバッコスを助けた女性も例外ではなかった。その女性が孤児院の世話係をしているのも「愛ゆえ」ではなく、その孤児院が父親のもので、世話係も任されたからやっているにすぎないのだ。しかし、その女性は「愛のない日々」に違和感を持ち、いつも「何だか何かが足りないようだ」と感じていた。
※ちなみに、父親が孤児院を開いた理由は「罪悪感」。父親は元々、エリート軍人にして発明家だったのだが、ある日、自分が作った新型兵器で滅ぼされた街を視察に行き、そこで見た光景があまりに凄惨だったことにショックを受けた。そこで、軍から離れて隠居し、罪滅ぼしに孤児院を開いたのだった。
この為、女性がバッコスを助けた理由も「何となく」だったのだが、いつも「何かが足りない」と感じていた女性は、不思議とバッコスに惹かれる。
それは、女性が抱えている違和感が「愛を忘れたこと」によるものであり、バッコスは神で、その存在を通して人間に愛を教えられる身だからであった。
バッコスと過ごすうちに女性は「愛する」という感情を取り戻していく。一方、バッコスは女性や孤児院の子たちと楽しく過ごしつつも、自分が何者なのかを思い出せない。
トピック検索 |