苺ミルクコーヒー 2017-05-27 22:10:36 |
通報 |
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
~物語の全容~
【序章】-人類の歴史と神の誕生-
昔々、まだまだ文明が発達していなくて、人々が貧しかった頃…。当時は「不便が当たり前」だったので、人間たちは何か思い通りになったり、幸運に恵まれたりした時は「とても有り難いことだ」と思い、その巡り合わせに深く感謝をしていた。
天空に感謝し、海原に感謝し、大地に感謝し…、やがてそういった「感謝の心」は「信仰心」となり「神」という概念が作られた。例えば、海への感謝が、海への信仰となり、信仰の対象としての海を「神」と捉えるようになったのだ。
世界にはこうして「神」が誕生した。感謝の心から誕生した神々は、そのことが嬉しくて、人間たちを愛するようになった。そして、人間たちもまた、そんな神々を通じて愛を知っていった。
* * * * *
しかし、文明が進んで「便利が当たり前」になってくると、人間たちは感謝の心を忘れていった。上手くいったことを喜ぶのではなく、上手くいかないことに怒るばかりになったのだ。
人間たちは感謝の心と一緒に、そこから生まれた神々のことも忘れていってしまった。そして、忘れられた神々もまた、人間たちに対する影響力を失っていってしまった。
「神」という概念は形骸化し、いつしか神々のほうも人間たちに無関心になり、遠い昔に与えられた役割を、ただこなすだけになった。海の神なら海を治めるだけの日々だ。世界から「愛」は失われてしまったのである。
トピック検索 |