菫色 2017-04-24 23:48:52 |
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何を仰いますか、ぬしさま。行く先は共に、決して離さぬとお約束致しましょう。意地悪を為さるぬしさまも可愛らしいもので、何のこれしき。
不便な物だと、少なからず呪った事も有りましょう。然れどぬしさまに出会えた事が何よりもこの小狐丸めは嬉しいのです。
…これはこれは。私は何時でもぬしさまの物です故に、何時でもお呼び下さい。この小狐丸のみを、
( 唾液を嚥下し唯彼女の熱を奪い去った如く熱い掌へ、刹那視線を逃して。縁側へと向かい乍ら彼女の言葉を反芻し、ゆるりゆるりと首を横に。緩む口元を其の儘に、桃色の花びらを舞わせつつ隣で差し出された盃を受け取り、賛美にも似た言葉に甘さを帯びた声色で返答。唯一つ、彼女の視線の先が此方以外向かなければ良いと、双眸に嫉妬の恋情と熱を浮かばせ。 )
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