菫色 2017-04-24 23:48:52 |
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それは反対だよ、小狐丸。貴方が私の手を引いて行くんだ。貴方が行く先が貴方の行く先…離れる時はこの手を貴方が離す時。…意地悪してごめん。
僥倖ねぇ、人間の身体なんて不便だろうに…嗚呼、これが貴方の分ね。酒の肴にお月様だなんて贅沢…しかもその時間を小狐丸と過ごせる。私にとっての誉、かな。
( 忠実な言葉は真っ直ぐに穢も知らない様で心の臓を抉る。背に触れる熱に短く息を吐いて緊張を誤魔化して反対だと、それから意地悪を謝罪しつつ縁側へと足を向け。月明かりが煌々と照らすそこへと腰を下ろし、杯に酒を注ぎ入れ手を伸ばして、優しい狐様へと差し出し緩く微笑んでは瞳に月を映し、誉だと宣う。愛おしく、麗しい野生の狐への照れ隠し )
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