菫色 2017-04-24 23:48:52 |
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あの様な可愛い弟達と共に居る時間が疲れる等と思った事は一度も有りませんな。寧ろあの子達が私に元気をくれているのです。…此れは困ったものですな、貴方になら斯様に思われても悪いと思えんのです。 __ 否、却って、
…… 、私は主とは違い刀ですから。冷えた所で如何って事はありません。扨、お酌致しましょうか、主。
( 今に壊れて仕舞いそうな脆く柔い身体が疎略な動きで廊下へと這うのに次ぎ、後手で襖を静かに締め切る。精錬とした風は矢張り心地良い迄に冷たく、髪を浚っては凪ぎ、広がる夜に息を呑んだ。細く白い指が暗闇に映え、心の奥で静まっていた感情を煽っては、こくりと極微かに喉を鳴らし。杯を挟み相対して腰を降ろせば、徳利を両手で持ち上げ乍ら、主の方へと微笑み掛けて。零した其の言葉に跳ねる鼓動の音を沈める様、新緑の芽吹く香を肺の中へと移行。決して、決して表情に出さぬ様に、と心しつつ )
私の心地を感取した上での言葉とならば、少々悪戯が過ぎますな。…其れとも、漬け込んだ先が知りたいと仰いますか?
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