しお 2017-03-30 22:52:02 |
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( 夜に溶ける真っ黒いローブ、キシキシに傷んだブロンドヘア。貧相な格好をした彼が、愛おしそうに私を呼ぶ。手渡されたのは真っ白い花を付けたスズランの花。しゃらりん、しゃらりんと。鈴の音が鳴った。__ それを紅茶に浮かべて、パパとママにあげてご覧。きっと喜ぶさ。わたしと同じビィ玉のように無機質な彼の瞳が緩りと垂れ下がって、わたしの頭をくしゃくしゃ撫でる。きっとこれは夢なんだわ。そう、きっと夢。兄はもう亡くなっているのに。 )
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