フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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>ソジュン
___。(横取りするような変人なんて探したって見つからない、なんて返事は彼の手が確かめるような動きで自らの身体をなぞる物だから飲み込んだ。吹き出すように笑われてしまえば自分なりの格好付けだったからか、途端に消えたくなるような羞恥がぶわっと込上げて唇を一の字に固め力強く結び。ネクタイの動きに引き寄せられ、剰え煽るような啄みを受ければ彼の可愛さに誤魔化されてしまいそうになりつつも面倒くさいこの男はすこしばかりの不貞腐れを浮かべ。歯を見せる様に顔をくしゃりと顰めてから冗談じゃない彼の発言に「……煩ぇ」彼が本気で言っていないと踏むからこそ短いそんな返事で閉じて、筋の浮く指先を伸ばして彼の額にデコピンを一つ。持ち掛けた提案がまさか此処まで喜ばれるとは、あれはこれは、と迷い悩む事さえも楽しいと言い兼ねないその雰囲気の彼を可愛いと思うのは最早当然と言うべきか。そのまま蕩けてしまうのでは、と思うほどの表情の緩みを瞳に映せば自然と自らにもそんな暖かさが染み渡り釣られる様にクと喉を鳴らし小さく笑い飛ばして「大袈裟、――偶には目一杯我儘言えよ。いっつも変に気ぃ使ってンだろ」甘ったれだ甘ったれだと彼の事をからかう事は有れど、彼が本質的な所で己の事を優先している事も、自分のことは二の次にして後回しにしている事も、そしてそれを知りながらも改善できない自分のことも気付いている。「全部が全部叶えられる訳じゃねぇけど、行きたいとこも食いたいもんも、お前のやりたい事を俺もやりてぇ」いつも美味いこと己の要望を組み込んでしまう気遣い上手の彼、逆に気遣いも察しの良さも落第点の己なのだから出来ることと言えば事前にそれを伝えることか。不器用ながらも目元の皴を深く刻めばくしゃりと笑みを浮かべて心地よい彼の声が戻るのを待とうか。)
>ネロ
なら、今度は一緒に行きましょう。観覧車に乗れば高い場所からこの国を見渡すことが出来るんです、――そうすればこの国を知ることが出来ますし、貴方がどの仕事を手伝うにしても知識が有って困ることは無いでしょう(屋内に作るメリーゴーランドを驚くアリスは多く存在するが、彼はと言えばそもそもの認識がずれていたらしい。仄かに赤く染まった彼の耳を見ればその変化が彼に対して失礼かもしれないが、ぶわっと庇護欲が掻き立てられるような感情にやられ。自制が無ければ彼の事を目一杯に撫で回していたかもしれないそんな心境の儘に飽く迄もと仮初の紳士さで次の誘いを持ちかけて。差し出したケーキを、彼の形の良い唇が食べる。それは初めてのことに警戒を見せる初々しさを感じさせて初心な動作が寧ろ官能的に思わせた。先の葛藤は何のその、食べた途端に雰囲気が変わるほどの反応を見せてくれればふつりと浮かんだ不埒な思いを掻き消してくれてつい彼の雰囲気に合わせて吹き出すように笑ってしまう。微笑ましさを持ったそんな温かみのある笑みの中で「これだけで満足なんてしないで下さいよ。貴方にはもっと色んな物を教えたいんですから」自らが振り回していて、彼は振り回されている。何てことには気づいてもいないのか、伝えられた感謝は何だか無性に擽ったい。己に向けた感謝の言葉が有るからか、彼が此処に居ない他の誰かを見ている事に気が付くと、子供染みていると知りつつも面白くなかった。ズイ、と距離を詰め彼の目の前を確り陣取ってから彼の顎を指先でツイとなぞる様に触れて「――他は見ないで」じ、と射るように真直ぐな視線を向ければそんな餓鬼臭さを浮かべる一言を我慢することなく彼へと送り)
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