フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
通報 |
>フラミンゴ
(出会った頃よりも逞しくなった身体。ただただ細かった喉仏は、今はより男性的な魅力で飾られ、劣情を刺激するように上下に動いて。伸ばした指先で凸凹とした隆起を撫でるように触れ、伸び上がるように上半身を起こし喉元へ軽い口付けを。「そうやね。俺がここまで頑張って食べさせて太らせたんやから、ふーちゃんの全ては俺んモン。今更他の奴に横取りされたら堪ったもんやないわァ」甘やかな声音で物騒な脅し文句を、まるで蜜のように滴らせる。言葉を辿るように喉元へ触れていた手は肩へ移動し、胸、お腹、太腿へとゆっくり降りていく。まるでいつか聞いた御伽噺のように、己は悪い魔女で、彼は食べられることを知らぬ憐れで可愛い生贄。普段の彼からは想像し難い、男らしい台詞に不覚にもきゅんと胸を高鳴らせるも、締まらぬ最後に彼らしさを見出しては思わずといった風に笑い零し。「く、はは!めちゃめちゃカッコええこと言うてる思ったのに。そこは俺だけだ!って言い切ってもらわんと困るわァ。俺が他の人に甘えても、ええのん?」ぐいっと片手で彼のシンプルな黒いネクタイを引っ張り、強引に距離を詰め、にんまりと揶揄いの色に瞳を染めて。挑発するように鼻先にチュッ、とキスを送る。頭を撫でてくれる手は照れ隠しなのか、些か乱雑だ。「え、ホンマなん?あの出不精のふーちゃんが…!感動もんやわっ!落ち着けるとこで2人ゆったり過ごすんもええなァ」誘い文句に乗らない手はない。彼のことを考えるとあんまり賑やかしい場所に遊びに行くイメージがなく、また己も2人っきりで静かな時間を過ごすことを望む。楽しみで仕方ない、緩む頬は隠しようがなくて)
>ダム
え…!あ、その…すまん。完全に勘違いしていた(優しく説明される内容に、最初は意味が分からないと眉間に皺を寄せ耳を傾けていたが、そもそもの解釈が違っていたことに気付く。羞恥に耳朶が熱を持ち、間抜けにも開いてしまった口を隠すように掌で覆う。彼の視線に身を晒していることが途端に烏滸がましい事のように思えて肩を縮こまらせる。「…遊園地など、縁がなかったもので……。このような乗り物などがあるんだな」ごにょごにょと言い訳を述べ、チラチラと見慣れぬメリーゴーランドへ視線をおくり。次に拝見した際には今回のような失敗はするまい、頭に刻むように形状を記憶して。夢を振りまく様にキラキラと光りの洪水が目を刺激する。軽やかな音楽に心弾む。訪れたものを幸福なひと時へ誘う乗り物は彼の家では洗濯の物干しと化しているだなんて、思わずシュールな光景を想像してしまい、ぷっと吹き出すような笑いが溢れた。生真面目に顰められていた眉は今ではゆるりと垂れ。「ふ、ふふ。こんな立派なものが洗濯竿代りなんて。君は本当に色々な意味で予想を裏切る」くるくると回るメリーゴーランドを細めた双眸で眺めながら、ポツリと感想を溢した。ペースを崩されてばかり、それでも嫌な感じがしないのは、彼の放つ人懐っこい雰囲気のせいか。じんわりと熱を待つ胸の上に片手をそっと当てて。まるで難問に突き当たったかのように気難しく口をへの字に曲げ、まじまじと洒落た代物を眺める。食べたいように、なんてまるで空の飛び方を知らぬのに放り出された雛鳥のような心細い気持ちに瞳は揺らぐも、口元に運ばれた一口大のアップルタタンに正解を見出す。恐る恐る、小さく口を開けては彼のフォークから食す。サクサクと香ばしい生地、キャラメリゼされたリンゴは優しい甘さで舌の上で蕩ける。「…美味しい。こんな美味しいものは食べたことがない!」あまりの美味しさに目を見開き、この感動を彼に伝えるべく、己にしては珍しいハキハキとした大きな声で感想を告げ。どのような調理方法で作ったのか、まるで魔法のよう。そっとフォークをいれ、パイ生地が何層も織りなす断面を驚きに見開いた双眸で見つめ、もう一口、今度は自身のフォークで己の口へと運んで。「本当に美味しいな…。君に出会って今日だけで色々なことを経験できた。有難う」自然と感謝の言葉が口をついて溢れる。お世話になっていたドクターにも食べさせてやりたい、皿のフォルムを指先で撫でれば遠く離れてしまったかの人を思い)
トピック検索 |