フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(引きはがし無理やり作り上げた距離は簡単に元通り、寧ろ前よりもと言う様にベッタリとくっつく姿を一瞥し。伝えられる内容はとんだ煽り文句、強いて言うなれば惚れた相手からの言葉は略略その類に収まるが、色を持つ言葉とは比にならない。甘ったるい声は脳味噌に絡みつくようで心臓が跳ねる、上下する喉仏は素直にもゴクリと生唾を呑みこみ僅かな理性と戦うばかり。冷静さを取り戻す為、酸素を目一杯に吸い込むと浅い動きで両方の瞼を落とし。「オッサン誑かしてどーすンだヨ」ジワジワと蝕まれる様に体温が上がっていく、触れてしまいたいと高まる欲を懸命に抑え込みつつ口元をくしゃりと歪めてボヤくような、嘆くような、情けない声色で。彼が遊園地で働きたいと思うならば大歓迎、己の様な部屋に籠る仕事じゃなくともドードーの様に遊園地内の見回りだったら彼に向いている筈だ、と浮上する思いを持ちつつ「お前が此処がイイっつうなら、歓迎だ。……でも、他の誰かン所じゃなきゃ見つからない面白いモンも有るからなァ。」自由なのに己の傍に拘束するのもどうなのか、同時に浮かぶ良心から迷うような口ぶりで言葉を呟き「__俺がアリスなら帽子屋のトコで働きてぇな」不意に閃いたのは普段オーダーを頼むお得意先、大方自由であり好きな物に囲まれた仕事とは!そう思えば僅かながら瞳にキラキラと光を宿して口にして。染まった桃色を気に入った様子の彼を見れば自然と嬉しい気持ちに至り、タオルを手に取ってからそれを頭に被せて「嗚呼、綺麗だヨ」珍しくも素直に、微笑ましさを滲ませた表情で微笑みながら頷いて賞賛を。愛しい人が己と同じ色に染めてくれる事がこんなにも嬉しいのか、目の前にする事で一層と実感し意識せずともジーと見詰めてしまって)
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