フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(彼の耳元に付いた薄い歯型にクツクツと笑いは漏れるばかり。ポツポツ溢れる喜びを彼を共有したいのか、己の長い髪を掻き揚げ、右耳を眩い光の元に晒しては、甘える様な其れでいてどこか挑発的な視線で彼を上目に見詰め。「ふーちゃんも、俺ん耳に跡つける?」ゆるりと下から覗き込み、普段の快活さは鳴りを潜め、艶めかしい色を含んだ声音で囁きを落とし。一房髪を摘み、クルクルと弄っては尋ねられた内容に首を傾げ。思案する様に数秒沈黙し、視線はユラユラと宙に泳がせて。ボンヤリと想像してはみるものの、どの位置も捨て難い。何処が一番目立つだろう、と考えた際に思い浮かんだのは以前その話題が出た時に告げられた選択肢で。ピンと閃いた、と言わんばかりに瞳を光らせ、三つ編み部分を掴んでは目の高さでヒラヒラと揺らめかせて。「三つ編みにしとる部分がええ!そこがいっちゃん目立つやろ?」ニィと両方の口角吊り上げ、染める部位の指定を。染色は誰か別の、美容院的な所ですると勝手に思っていた為、思わぬ言葉に”ええ”と驚きの声が上がる。想像もしていなかった贈り物を貰った子供のように喜色を満面に浮かべ、彼の両手を握ってはぶんぶんと上下に振り。「本間?ふーちゃんがやってくれるんやったら、どんなでもええよ。だってふーちゃんがしてくれる事に意味があるもん」失敗されても、それはそれで思い出になり、愛しくなるもの。「…!やったら、もう離れられんねェ」己も彼の隣が心地よく、もう早其処を絶対の居場所として認識してしまっている。自分にとっての安全地帯は彼の隣だけ、腕を絡め、瞳閉じ安心しきった顔で寄り掛かって)
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