フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(別段重要と思っての事ではなかった言葉が彼にとっては重要とでもいう様子でキラキラと輝くような雰囲気がくすんでしまった空気の変化に気が付いて、弱弱しい言葉を受けるとスプーンに添えていた手はパと離してしどろもどろと手振りを添えつつ「でも、ヨ。若しかしたら元々フラミンゴだったかもしンねぇし、記憶がねぇってだけで不思議の国に生まれたのか俺も元アリスなのかっつうのもわかんねぇンだヨ」虫食いにでもあったようにピースの欠けるパズルと同様にポッカリと一定の時期からの記憶が無いのだ、モゴモゴと口籠りつつも悲観的になるなと言葉を探り。「第一、今日明日にくたばるっつうコトもねぇから。__綿菓子、コッチ見ろ」喋り上手じゃ無ければ無い記憶をもとにしたフォローなんて出来る筈も無く、早々にフォローが手詰まりになると時分に意識を向けさせるべく、うつむいたその顔を呼びかけて「名前が無けりゃ元のクニにゃ戻れない、……嘘か本トがわかンねぇけど。事実、俺はフラミンゴ以外の名前もフラミンゴとして以外の過去も全部知らね。」雑ながら己の知るべく不思議の国のルールを教える様に伝えて、真白な髪に触れる様に指先を伸ばす、サラサラとした髪が指先を撫でるとそれが心地よいと離すことに名残惜しさを覚え。「もしかしたら、お前もそうなるかも。」過去を忘れると言うのがどういう物なのか、察する事さえも出来ない己には余計な事も言えずにオブラートに包むことの無い現実を向け、「__帰ろうぜ」言葉では何も言えないせいか、無性に彼を抱きしめたくなった。そんな感情を押し戻せば触れていた髪の名残を見る様に自身の手へ目を向けてからその言葉を掛け伝票を握り。)
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