ナツカン 2017-03-22 22:03:53 |
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そんな雑談をしていたら家に着いた。普通の小さいアパートの一室で、狭い部屋が一室と簡易的な台所。そして押入れがあるだけの1人暮らしには丁度いい部屋だ。
部屋の中には1人掛け用のソファーとテレビとちゃぶ台くらいしか置いていない。
家に入ると夏太郎を適当に床に座らせて本題に入る。
「カンさん、秘密結社について詳しく教えてくれませんか」
「あー、まだ無いけどこれから作る予定」
「まだ無いんですか」
「1から自分で作ったほうが楽しいじゃん」
「…秘密結社を作って何をするんですか?」
「特には考えてないけど争いは嫌だから平和主義な秘密結社がいいなぁ」
「…何歳ですか?」
「25」
「…以前は働いていたんですか?」
「普通に会社員だったぜっ!」
『頭の中で何かがプツンと切れた』とか言って登場人物が怒りだすような描写が小説とかでは良くあるけど、俺は違った。明らかに相手が悪い。俺は闇の組織という最悪の環境の中で堅実に生きているのになんだこの男。コイツは普通に会社員って環境がどれだけ恵まれているのかを理解していない。聞いた感じでは大した理由もなく会社を辞めたのだろう。
『何かが切れた』のでは無い『コイツが何かを切った』のだ。
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