(銀之丞) 2017-03-11 19:08:45 |
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ッ…、
( その声音からして彼が嘘を吐いていない事等百も承知、然し改めて言葉にして告げられると言葉に詰まってしまい黒曜石のような瞳を動揺から揺らして。彼は手に持っている筆を早い動きで滑らせていき一体何を描いているのかと疑問符が頭に浮かぶが、此方の言葉に応えるようにハッと顔を上げたのを確認すると何と返答がくるのかと身構えて。そして帰って来たのは予想の遥か斜め上をいく言葉であり、同時に己を描きに態々大金を払ってこの廓まで足を運んだのかと吃驚し。然も彼が描くのは美しい物に限るという、それは遠回しに自分を美しいと言っているのと同じで僅かにふい、と視線を逸らしてみせるが、眼前にひらりと差し出された葉書程度の大きさに描かれた其れを見ると余りの感動からか息を呑んで。僅かに身を乗り出し繊細なタッチで描かれた金魚の絵をまじまじと凝視すると思わず「 …綺麗。 」と呟いて。 )
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