(銀之丞) 2017-03-11 19:08:45 |
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――そいでは、お言葉に甘えんして…
( 極限まで伏せられた双眸には顔の横で揺れるびら下がりしか見えず、狭い視界の中では彼の顔は未だに見えず。どうせ顔を上げた時相手の顔に浮んでいるのは獣のような欲に塗れた下卑た笑顔なのだろう、そう思案していると降って来た声音は穏やかで優しく心地良い物で。多少の驚きからか瞳を見開くが面は上げず、然し頭の中ではどうせ紳士の皮を被った獣だ、今までそういった例は沢山あったと疑いの精神は捨てずに。其方に行くよう促され己の指を丁寧に掬われると落ち着いた声で上記、ゆっくりと彼の元へと近付いて。 )
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