通りすがりさん 2017-03-08 21:15:36 |
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───はて、此処は…まァ暗くて丁度ええか。
(何時も通り人間界の男達を漁っては騙し何処かへ消えて行く行動を幾度と無く繰り返していた為行き覚えの無い深夜の住宅街へと迷い込んでしまう。常に大人の男女が賑わう深夜の繁華街で過ごしていたので外灯のような強く大きな光ではなく街灯の自然で暖かな光があるだけの静寂で陰翳な場所なんぞ初めてな場所だった為か少々戸惑いの声が漏れつつ、妖怪にとっては落ち着きを取り戻す様な場でもあった為か安堵な声も同時に漏れてしまい。この時間帯のこの場所は人気が一切無い為に心の中で思い続けていた人間にバレないように生活するという事に対する強い気持ちが此処に居ると何故か弱々しくなっていく。懸命に歩き乍一休みする場を探していたものの途端に己の愁眉が開かれれば緊張の緒もぷつりと途切れてしまうと同時に人間界で人間の様に過ごすこれまで気付かずに溜まっていた疲労も全て自分にのしかかってくるに連れて、足元がおぼつき懸命に歩いていたのも束の間とある小さな一軒家の目の前で倒れ込んでしまう。寂寥感が漂う一言を言い放つと同時に意識が遠のいていく。)
嗚呼、此処で活きるのはもう疲れたわい…───。
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