薄暗い書庫の中に窓際のカーテンの隙間から、爽やかな昼下がりの風が吹き抜ける。 初夏が近づいているせいか日々気温は上がり、そろそろ衣替えをしたいところだが、腰が重くやる気は出ない。 「眠い…、二度寝、するか…」 薄目を開け屋敷の主、ノエル・ミラー・ワイトは、再び毛布に潜る。 暖かい日差しに柔らかい毛布、爽やかな風と傍らにはお気に入りの書物。 これほど昼寝に向いている環境はそうそうないだろう。