鏡音 2017-02-17 16:19:07 |
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『好きです』
たったこれだけのこと。それだけ言えばそれで伝わるだなんて簡単すぎる。
そんな風に勘違いしていた私を今すぐ怒ってやりたい。そして教えたい。その言葉を伝える為にどれだけの勇気が必要かってことを。
好きになる前は普通に話せていたのに、
意識し出してからはまともに顔を見ることすらできない。当然会話も成り立たない。それどころか逆に心配をかけてしまう。
「お前らしくないな」
そうやって笑う顔に、ひとつひとつの仕草にドキドキさせられているのは私だけ。貴方は何とも思っていないんでしょう?......気付いてよ。なんて。
気付かれたら、この関係は終わってしまう。気まずくなりたくない。貴方がモテるのはわかってる。隣は無理でも、せめて友達ではいたい。
そう、本当は自分に言い聞かせてるだけで。あわよくばって思ってる。いつも。ずっと。関係を壊したくないからって臆病になってるだけ、なんだ。ただの予防線。こう考えておけば彼女が出来ても傷付かない。
結局自分のことしか考えてないな、私。傷つきたくないが為に予防線を貼って。偽りの笑顔を作って。でもそんなの、もう止める。
正直になってみよう。
「あのさ......」
声を掛けた私と振り向いた貴方の髪を、優しい風が撫でていった___
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