主 2017-02-17 06:31:45 |
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>>32 総司くん
( ──喩えるならば、舞台の殺陣を間近で見ている様な。圧倒的な威圧感、自信を持ち戦う相手は些か愉しそうで、思わず『恰好いい…、』と。勿論、温々とした布団の様な、平和な現代で生きて来た自身が簡単に言い表せる程易々としたものでは無いと理解していても、そう言葉に表さずには居られず。切った張ったの次元で生きている此の時代からすれば大層不謹慎な言葉かもしれない。それでも相手が負けるだとか、怪我をするだとか、そんな不安は何時の間にか消えていて。之もきっと其の自信満々な笑みを見たからだろう気持ちに緩々と口角が上がり。最後の一人を逃がし呟いた言葉は彼らしい言葉で、一気に安堵感からへたり、と地面に座り込んで。───龍君、って言うんだ。初めて知った名前を復唱しつつ、今更そんな事も言えず、腰が抜けて座り込んだ己を心配する少年に曖昧に微笑んで。『──あはは…、ちょっと吃驚しただけだよ…?腰抜けちゃったみたい…。』なんて言葉を零しつつ、普段の稽古を思い出しては何とも言えない様な気持ちで膝を抱え、其処に顔を埋め。これしきで、何てトシ兄さんに怒られるかもしれないが、けれども間近で見た命の奪い合いに今更身体が震える。『総司く…っ、有難う…っ…!龍くっ…も、私も無事だよ……っ。』一歩間違えれば命が無くなっていた、そんな現状にゆるりと緩んだ涙腺から涙が一筋。ぐす、なんて鼻を啜り乍も目一杯の笑顔を作り、そう述べて。 )
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