赤の女王 2017-02-13 17:46:29 |
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>グリフォン
嗚呼、先生は芋虫と呼ばれるあの人の事だよ。本の森の博士。
(柔和な目尻の皺を、次にふと本名を忘れるなかれと忠告した彼の口振りを思い出しつつ申し訳なさそうに訂正して。もしグリフォンへ尋ねてみればどうなるのだろうか、僕が女王にならずともこの国に居続けても良いか、と。銀色の髪が窓から差し込む光を反射しきらきら艶やかであるのが綺麗だなとの感嘆が混ざった瞳を向けて。故郷でも滅多に豪奢な茶会に加わる機会なんぞ無かったものの、人に喜んで欲しいと望めば身体が動くものらしい。テーブルをベッドの前へ押し出し。非常に上手と言われるとなんともくつぐったく、また次はもっと手のかかる菓子を完成させて尚一層喜んで貰いたい願望がふつふつ膨らんで。「君に言われたら調子に乗ってケーキのタワーでも焼いてしまうよ。さあ召し上がれ、正直な感想も聞きたいな。」あくせくと働く楽しさとはこれを指すのだろうなと両目輝き、目の前に座り熱々のコーヒーをカップに注ぎ入れ。)
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