濡鼠 2017-02-08 17:27:58 |
通報 |
(がなり立てるレコードは日夜を問わずに同じメロディばかりを刻み、清潔感ある綺麗な部屋は既に姿を消して飾られる写真は破られ割られ、余すことなく落書きを。真白な壁にすらわざと下手糞に描いたような筆跡でシャムとレオパルドの名を刻み、離れの壁紙は既に破られている。大きな液晶のテレビは持ち込んだアダルトビデオがボリュームゼロで繰り返し繰り返し下品に上映会を繰り返し)
レオパルド:シャミィいつまで寝てんだ、仕事だろ。可愛い可愛い猫でも被って来い!(繰り返した情事は暴力を交えた一方的な乱暴そのもの、労わる気など端から持ち合わせていない。朝日が昇る頃、抱く彼に意識が有るのかなんて既に興味も無く椅子から離した身体を自由だけ奪う様に両手両足を結んだまま、様々な液体が浸みる床に転がすだけ。我が物顔でシャワーを浴びて再びお決まりの服へ身を通し、来客を示すインターフォンの音に一度目を大きく開けば大きな声を上げさせない様に、意識が有るかどうか分からない彼の元へ戻り。目隠しとして使ったネクタイを今度は口枷として猿轡のように口に回し、ソファで眠るシャムを叩き起こす様に叱咤して。無理強いをするように呼吸の自由ごと口を覆えば「Honey,一言でも声を出せば……__アレックス、俺はお前の声帯を傷つけたくない。お前の声を聴いていたいんだ、だからわかるな。今は喋るな」ちっちっちっち、優しい舌打ちは野良猫でも誘き寄せるときの様で。転げた彼の上半身を起こすと抱き抱える様に自身に寄せて、揺り籠のように座り込んだ体を少し揺らすと顔を寄せ言い聞かせるような口ぶりでゆっくりと諭し、片腕を滑らせて途中喉を摩り声を上げさせない様に塞ぐような口付をネクタイ越しに行って。)
シャム:__レオくんぐっもーにん、ふわあ。___!?(その後気分のままに部屋を荒らし、面白い物を探しては落書きをする。廃墟で騒ぐ若者の方が未だ可愛げがあるそんな過ごし方を繰り返し、疲れたころにボリュームを消したテレビに映像だけが流れるビデオとレコードに紛れて聞こえる生々しい音を子守唄に変えソファで眠り。切り付けられた切り口から綿が零れるクッションを抱き抱えて眠っていると唐突に起こす様なレオパルドの声に体をビクリと震わせて、未だぼんやりとする頭を冷静にさせたのは繰り返しもう一度鳴ったインターフォン。傍に有った適当な服を身に纏い、ちゃっかり髪を手ぐしで整えてから「__おはようございます、叔父さんの知り合いの方?…えぇ、そうなの。私、叔父さんの姪っ子で」唯一綺麗なままの玄関でくすくすと笑い声交じりに談笑を、やってきた客人は編集部の人間のようで締め切りの作品を取りに来たと言う内容。"うーん"と困ったように顔をしゅんとしょげさせて「叔父さん、暫く何処か遠くへ旅行に行くと言っていたの。執筆業を一度離れて体も心も休めたいって、それで……恥ずかしいんだけど、わたし、親と上手く行ってないから。叔父さんが留守の間は此処に住んでいいって言ってくれたの。」自分の事や家主の事を問う客人に今閃いた嘘をしれっと伝え「行先もわからないし、電話もつながらないの。…だから、もし叔父さんのことがわかったらすぐ伝えるわ。名刺を頂いても良い?」頭を傾け、客人を引き払う。車の音が遠くに消えるまでニコニコと愛想よく手を振り見送ればバタン、助けが消えるようにドアを閉め鍵を掛けて)
トピック検索 |