匿名さん 2017-01-13 00:17:18 |
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(/ はい!こちらこそよろしくお願いいたします!)
( その日はクリスマス・イヴということもありいつになく慌ただしく忙しい一日だった。22時から行われた本日最後のクリスマス・ミサも無事粛々と終わり、外の片付けを終えて自室へと戻ろうとしていたときにふと講堂の鍵を閉め忘れたことに気がついて。本来教会の扉はいつでも万人の為開け放たれてあるべきではあるが、近頃は物騒なことも多く戸締りはするようにと数日前に巡回中の警察官に勧められたことを思い出し。入り口まで戻ると異様な雰囲気にどきりと心臓が跳ねる。そっと扉を開けるとそこには俄かには信じられない光景が広がっていた。
ぴんと張り詰めた空気、壊れた人形のように不自然な姿勢で床に折り重なる冷たい身体、ぬらぬらと鈍い光を反射する赤黒い水溜まり。そして、演説台に足を組んで座りつまらなさそうに聖書を読む見知らぬ男___。奇妙なことに恐れは微塵もなく、一種の神聖さのようなものを感じて。こつ、こつ、と規則的に靴音を鳴らしながら遺体の側まで寄ると、キャソックの裾がまだ生ぬるい液体に浸るのも構わずにしゃがみ込んで遺体の口元に手をやり。どの遺体も微かにさえ息をしていないと確認すると、顔を上げて悲哀と憂いに満ちた目で男を見上げて。)
貴方の仕業ですか? __僕も貴方に殺されるのでしょうか。
(血の海の中で他人事のようにそう問いかけたところで、そこで恐れを感じない理由が分かった。銀色の月光に照らされたこの凄惨な光景を美しいとさえ思う自分がいるのだ。)
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