枯れ草 2017-01-03 14:50:55 ID:16e00feef |
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空を切り裂きながら一直線に突き進む真白の閃。けれどその鋭い札も元を正せば一枚(ひとひら)の紙。
明確な殺意伴う刄に対峙するには、余りにもか細い力であり。
黒笠の男が手首を返し垂直に斬り上げた一閃の下、儚くもその身を真二つに散らしてしまう。
―――ややあって、静寂を破る御札の爆音が二つ。
「…まずは挨拶と言ったところか、紅白の巫女とやら。」
にいぃ、と口を歪めて男は嗤う。
爆殺に依りその生命を狙われた事など意に介さず、寧ろソレを望んで止まないことのように。
「知っているぞ。お前がこの世界指折りの実力者であるということは。――だが。」
ちきり、と鍔鳴りの音が流れる。
共に男は、やや後ろに引いた左足の指の先にぎりぎりと力を籠めて。…一拍。
石に小さな亀裂を育む。
――“本当の生命のやり取り”を知っているのか?
「うふわっっはああぁぁぁーー!!!」
剣は凶器
剣術は殺人術
そして人斬りは所詮人斬りであり、それこそが唯一の真実。
己が生涯を凶器と狂気に捧げた男が、あらん限りの大声量で狂い叫びながら巫女の元へと疾駆する――――!
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