梓野一松 2017-01-02 20:13:57 |
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>>おそ松先生
……はい。………、……?…俺のこと、知ってるんですか。(突然の無礼にも、それも病院の先生とその患者の域を超えた罵声を実の兄弟と間違えてぶつけられた、なんてことに対しても咎められることもなく、それどころかひどく落ち着いた手つきで肩を叩かれてはする反抗もできる反抗もなく、戻るようにと促され大人しくこくりと頷いては相手の言葉の通りに病室へ戻ろうときびすを返そうとしたところでふと担当医どころか担当の科も異なるだろう相手の口から自分の名前がこぼれ出たことにきょとりとしては大方次男の方から聞いたか、自分の兄がしんでしまった事が病院内で知られているのか、どちらか二択だろうかと推測を立てつつ首を軽くかしげながらそう疑問を相手へと放てば不思議そうにして)
>>十四松
…兄さんの真似してみただけだよ、俺は別にそこまで優しくないって…、…っふふ、…うん。そうだと思うよ、いつも俺が泣いてると助けてくれる優しいヒーローみたいなやつだったから。ああ、いいよ。迷子になっちまうから手…袖かしな。(こんなに屈託のない笑顔を見ていると本当に幼い頃の自分を見ているかのようで、そのときの幸福を思い返すように日を穏やかに細めてはこんな風に穏やかに笑ったのも一葉と居るとき以来だと暖かに思うとふと自分が笑みを零したことに関し嬉しげに元気良くも指摘する声に「俺だって楽しけりゃ笑いぐらいするんだよ」なんてあっけらかんとして答えつつも内心、一葉が居なくなって以来ほんと、ここまで笑ったことあったっけ。なんて思考巡らせては猫カフェ店員をやっていた身だ。甘えるように擦り付いてくる仕草に微笑ましさを感じては俺もこんな弟が居たら、一葉が居なくなってしまっても、護る物があったらこんなにここまで孤独でひねくれてなかったのかもなあ。なんて思いながらおいで、と伸びた袖へと片手を差し出して)
>>カラ松先生
っ…こほ、…っ、…は…ぁっ…。…ふ、…っう。一葉…っ。……あいつ、…どう、せっ、俺を…一葉の代わりに助けようとしてるんだ…っ…僕は一葉じゃない、僕が、助かったところでっ、…一葉はっ、ひとはは…っ!ふ、…うぅ…っちく、しょおっ…。(相手が部屋を出る刹那、呟いた言葉は耳に入ることはなくわからずじまいだったが、ただただベッドの上で一人、ぎゅうぎゅうに胸元を握り締めながら頬をぬらしては引きつる呼吸を戻そうと慌てて深呼吸をする、を繰り返しては僕のことを一葉の代わりにしてリベンジする気なんだろう。僕が助かればあいつの中で一葉のことはおしまいなのか?弟は助けたぞって満足そうにして終わりなの?…僕が助かったとして、一葉は喜ぶかもしれない。でも、でも一葉が生きたくても息したくてもできず苦しみの中眠りについたことは変わらないのだと思う度にくやしさからやりきれずにがしゃん、と音を立ててベッドサイドに右腕を振りかざして。涙でぐちゃぐちゃになってしまった寝間着の不快感も気にする余裕はなく、ただただ切なげな声を漏らし)…一葉のこと、忘れないであげてよお…一葉を、一葉を助けてあげてよ…誰かあ…。
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