201 2016-12-29 23:04:24 |
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ペアの子可愛かったので、勝手に出演してもらっちゃいました。物理的に二人が別れちゃうとソロルになっちゃうのしょうがないと思うので大丈夫ですよ!こちらこそ、長い割にあんまり進められていなくてすみません。不都合などございましたらお声がけください。
(25歳、いってるのかなぁ。童顔なのか本当に若いのか知らないが、少なくとも自分よりは年下であろう眼前の女性……あるいは少女のまあるい瞳を困惑した表情で見つめていた。日本人は若く見えるからなぁ…というのは置いといて、当然のように紡がれたこんにちは!の挨拶に、見知らぬ女性と待ち合わせている覚えはないよ……と視線を泳がせて数秒。「コンニチハ……?誰だい、きみ……」と疑念と少しの苛立ちを滲ませながら問いかける。すぐに返ってきたこれでも一応モデルですよう、という言葉に余計クエスチョンマークを頭に浮かべ呆れたように肘をついて見上げると、先輩はもうちょっとお仕事中です!などと聞かされ思わずぎょっとした。興味ないけど、可愛らしい容姿をしている。外を歩くには少し派手なメイクで、やたらつばの大きいハットを被ったこの女性は恐らく竜児の同業者で、今朝、あの場にいたんだろう。ちょっとした騒動を良かれと思って引き起こしておきながら背中に汗が伝うのを感じ、打って変わって引きつった笑みを浮かべてしまう。そんな自分と対照的なほど完璧な笑みでこちらを見下ろすその女性は、仕切りなおすように息を吐いた。…私、カレシに振られたんです。多分、モデル辞めないから。ビビットなピンク色の唇から紡がれたその言葉。俺は更に困惑を深めて、「……そう。」と一言相槌を打った。…かなしかったです。少し暗くなったトーンでそう紡ぐ彼女に対し、「俺には何とも……」などと少しも気の利かない台詞が口から零れて、俺は顎を載せていた肘を下ろすとなぜだか委縮したように膝に手を置いた。かなしかったんです。念を押すようにもう一度そう言って、颯爽とその場を去っていった彼女の背中をしばらく見ていた。通じないならそれまでだ、と言われているような気がして、テーブルの上ですっかり冷めてしまった料理に口をつける気にはとてもなれなかった。竜児に会いたい。もうちょっとって何だよ。おやつの時間を指す安い腕時計に溜め息を吐き、すっかり溶けたバニラアイスのパフェをジュースのように仰いだ。ここの窓から撮影現場が見えるように、向こうからも丸見えだ。最近の女の子は行動的というか、何の写真を見られたんだろう?……想像しても仕方のないことを気にしながら、俺は伝票を手に席を立った。
やっぱり現場近くに車を止めて待っていよう。そう思い立ってすぐに会計を済ませ、トイレを出て数秒。きょろきょろと店内を見渡す細身の男を二度見した。文字で表すとしたら!!!???って感じだ。変装もせず目立ちまくる身なりでこんな場所にいる想い人の背中にずかずかと近づいて、ぐいっと腕を引く。「ちょっと……会計済ませたから、出よう。」眉間にしわを刻みやや焦ったように囁いて、強い力で腕を掴んだまま店を出た。ふわりと前髪を浮かせた風に苛立ちながら、リモコンキーで自分の車の鍵を開けると甲斐甲斐しく助手席のドアを開け中へ入るよう促して。)
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