▷◀︎ 2016-12-26 23:06:48 |
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嗚呼…御前さんが昼間の警官か。驚いたな。
( 暗闇に溶け込んでしまいそうな彼の姿をじいと見詰めては、初めて間近で見る事を許された顔へと視線を向けて。程よくやけた肌に精悍な印象を与える瞳に泣き黒子が柔らかな印象を与え、お互いを相殺し合う。其れ程迄に見栄えするかと云えば、否だ。決して誰もが振り向く様な美青年では無い。其れでも心の奥から欲してしまう程に惹かれている。これが俗に言う一目惚れかと、何処か冷静に分析し乍静かに下げられた拳銃を征するが如く掌で彼の拳銃をそっと包み込み。同じ様に突き付けようとしていた刀を下ろしては、ぽつりと呟いた彼の言葉が空に搔き消えて行くのを只待って。漸く訪れた静寂を再び裂くべく上記を零して。同時に頭の中に描かれた言葉は'殺すには惜しい'と言う事。無論彼を放っておく事による害は大きいが、其れよりも尚彼を殺してしまいたく無い。一層彼に顔を寄せれば瞳を細めて、「死にたい?」とだけ問い掛け。 )
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