Sin 2016-12-25 17:13:20 |
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「とは言え、やることは一つしかねえ。」
直後、一行の隠れていた岩礁に砲弾が飛来する。
「チッ!流石に見つけるか!逃げろ!」
天龍は岩礁に身を隠しながら六駆に脱出を命じ、彼女らもそれに従った……ただ一人、響を残して。
「おい、聞こえなかったか。」
「天龍こそ、自分で逃げろと言ったくせに。」
「そりゃあお前、俺はお前らとは錬度が違うんだよ。俺なら残っても死なねー。」
「でも……。」
「ごちゃごちゃ言うんじゃねえ。ほら、あいつらあそこで待ってるぞ。」
不思議そうに首を傾げつつも、敵の発砲炎と残った二人を見れば焦りだす六駆の三人。遠くから手を振ったり、何か叫んでいるようだ。
「君を待ってるんだろ。逃げるも残るも一緒……っ!」
響の顔に……天龍の刀が突きつけられている。
「……早く行けよ。俺は沈まん。」
「……死ぬなよ。」
響は帽子を目深に被って背を向ければ小さく呟くが、天龍がすかさず彼女を小突く。
「縁起でもねーこと言うなよ……少し遊んでから帰る。あいつらにも言っとけ」
【続】
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