Sin 2016-12-25 17:13:20 |
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閃光と唐突な浮遊感。天に召される感覚かとも思ったが、直後に叩きつけられた水面の衝撃と冷たさがそれを現実に引き戻した。
「っぐ……?何……だよ……。あ……?」
天龍は腹部の圧迫感が和らいだのに気付いた。放り投げられたのか?違う。牙の異物感と痛みは確かに残っていて、身を起こして見ればやはりレ級の艤装は食い付いたままだ。
「……?どうなってやがる……っ。」
一度は起こした体を仰向けに投げ出し、逆さまになった天龍の視線にその答えが映り、同時に何か耳障りな音も耳に入った。
「……ッッアアアア゛ア゛!!」
尻尾を押さえ、喉を引き裂くような荒れた声で叫ぶレ級の姿。身の丈程もある尻尾は半ばから千切れていたのだ。更に注視すれば、レ級の特徴の一つであるパーカーが失われていて、露となった青ざめた肌を炎が包んでいた。
その背後のル級はその状況を飲み込めない様子で、呆然と突っ立っている。
【続】
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