Sin 2016-12-25 17:13:20 |
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(カッコ悪ぃなぁ……あいつらにあんな啖呵切っといてこのザマだ……。怒るだろうなあ。特に響と電……。)
意識が朦朧としていくなか、痛みも分からなくなってきた天龍は心中でぼやいた。自己犠牲を諌めておきながら、結局自分がそうなってしまった。
そんな自分の姿にひどく悔しい思いをしていたが、もうどうにもならないと覚悟を決めた。
(すまねえ龍田、戻れそうにねえわ……。)
体へ食い込むレ級の牙を一瞥すれば、自分の体の末路を想像して憂鬱になって再び項垂れた。
(あばよ提督。また俺を建造してくれよな。龍田が寂しがるからよ。)
届かぬ遺言を呟き、天龍は眠るように目を閉じて意識を手放した……筈であった。
【続】
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