YUKI 2016-11-19 22:11:18 |
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茅人の手に触れていない反対側の手のひらには、大人二人分の入場券が握られている。
「チケット代、払います」
「誘ったのは私だから、奢らせて」
財布を取り出そうとする茅人に、汐は微笑し告げる。
料金自体はそれほど高いものではないし、この場で押し問答をするのは茅人としても好む事ではない。
同意の意味として財布をしまう茅人の仕草に、汐は満足そうな表情を浮かべた。
入場等は入り口ですべて行えるらしく、再び汐と茅人は歩みを進める。
「大人二人」
汐は係員に入場券を渡す。
係員は慣れた手つきでそれを切り、半券を汐に渡し返した。
茅人も汐と供に中に入ると、目的の部屋はすぐに見つけられた。
室内は薄暗く、ドーム状に広く作られている。
そのわりに客は少ないようで、室内には数人しかいないようだ。
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