先ほどから感じる汐の憂いは、何が原因なのだろう。 待ち合わせの時、紙袋を捨てた事、そしてこの風景。 茅人には共通点が見つからない。 ちらりと汐の表情を横目で見ると、そこには木陰を楽しむ笑みがある。 足取りは変わらずに軽い。 供に歩みを進めたせいか、数メートル先にはプラネタリウムの入り口がある。 入場券を買いに行こうと茅人が足を進めると、汐に手を引かれた。 「もう買ってあるから、行きましょう」