YUKI 2016-11-19 22:11:18 |
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プラネタリウムまでの距離はさほど離れてはいなかったが、時間の都合を考えた結果、汐と茅人は近場のカフェにより軽い昼食を終え、その後林に向かった。
林の中には近辺の地下鉄駅からすぐの道にある遊歩道が延びており、踵の高いサンダルを履いた汐の足元に不安の色はなく思える。
柔らかな素材の遊歩道は、アスファルトよりも負荷がなく、茅人の足取りも心なしか軽い。
「この場所、写真で見たより緑が鮮やかですね。街から少ししか離れていないのに」
茅人の言葉の通り、汐もこの林がこんなにも澄んでいるとは知らず、感嘆の吐息を漏らす。
「やっぱり、こういう風景は自分の目で観ないと駄目ね。でも、こんなに綺麗な自然の中に作りものがあるなんて、皮肉なものね」
汐の言葉には、先ほど見えた憂いが微かに滲んで見えた。
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