プロローグ 始まりはいつか終わりを迎える。 出会いの先には別れがある。 そんな事は誰もが知っているはずなのに、何故僕らはソレを経験するまで気づかないのだろう。 『あの人』を失った僕には、この世に存在する理由のない亡者のようなもので、そんな存在を思う彼女の時は意味のない時間でしかない。 しかしそれでも、彼女は傍らに居てくれる。 こんな僕に返せるものは何もないというのに。