焼きソーば 2016-10-22 20:11:57 ID:f9e4b1cb2 |
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【第三話 Let's go to 王都】
「そういや、メルさんとアスラさんって、どんな関係なんですか?」
幌馬車の中を、涼しい風が通り抜ける。気温は……ちょうどいい感じかな?気候的には日本と同じくらいだと思う。
そんな馬車の中、御者台に座って手慣れた手つきで馬を操るアスラさんに一つ気になったことを質問してみた。
「あぁ、私とメルさんは従姉妹なのよ。従姉妹なのに敬語はおかしいかもしれないけど、家族構成的にいろいろあってね……」
「あ……急にそんなことを聞いてしまってすみません……」
あ、なんか変なフラグ立ってるから速攻回避。途中で貴族位とか関わってるんだろうな。何だかんだ言って異世界も普通にめんどそう。こういうのは関わらないのが一番なのです。
ポカラ、ポカラ。
馬の蹄がそんな軽快な音を出す。
「そうそう、カリンちゃんには魔法の基本を教えておこうかな」
アスラさんは突然振り返ってそんなことを言った。
え、やった、やった。魔法だいぇーい。
異世界と言ったら魔法。切っても切れない関係なんですかねー?
「え、いいんですか!?」
「えぇいいわよ。まぁ、素質があるかどうかは個人次第なんだけどね」
そう言ってアスラさんは革袋の中をガサゴソと漁り始める。
……素質か。ありますように。
「よろしくお願いします!」
「あ、というかアスラでいいわよ。さん付けで呼ばれるのはなれてないから」
「あ、はい」
「んじゃぁ……」と呟きながら、アスラは袋から分厚い本を取り出すと私の方に投げてきた。
手に持ってみると意外とずっしりしている。
「それはうちの学校の教科書よ。魔法の事に関しては殆ど載ってるから、いつも持ってた方がいいわ」
そういうと、アスラはゆっくりと幌馬車を止めた。気付けば空も暗くなってきている。今日は野営かな?
「よし、今日はここらで野営しようか。続きはまたあとで教えてあげるわ」
「はいー」
そんなこんなで野営の準備が始まった。キャンプっすか……おぉ……インドアの私にアウトドアに切り替えろと言いたいのですなあなたは……
◆◇◆◇◆◇◆◇
「よし、んじゃぁ説明はじめるね」
「はいー」
晩御飯(干し肉と干しいも)を食べ終わると、早速テントのなかで講義が始まった。
え、ご飯の感想? 干し肉はビーフジャーキー的な感じで私は好きだった。干し芋はほんの少し甘みがあって、それでいて弾力があるのでこれまた美味しす。ただ、ちょっと喉が渇くかな?冒険での食糧は基本的にこの二種類らしいけど、私はすぐに飽きること確定だな……どうにかしないとね。
「まずは、魔法がなんなんのかについてね。これは単純に、自分の中に存在する【体内魔力《オド・MP》を練り上げて、色んな魔法に精製するわけ」
例えれば植物がデンプンを消費して成長するように。人間が食べ物を消費してエネルギーにするように。
アスラは身振り手振りでジャスチャーをしながら私に説明する。
「だから体内の魔力を消費するわけ。ちなみにゆっくりと回復はするけど、体内魔力が0になれば気絶してしまうわ。とりあえずそれには気をつけることね。ちなみに魔法とは若干違う"魔術"ってのもあるんだけど……それはおいとくわ」
私も何度か経験あるわと笑いながら言うアスラ。なかなか無茶なことをしたんだろうなぁ。
「あとは属性についてね。これは絶対に覚えておいた方がいいわ」
結局話をまとめると、この世界には光、闇、水(氷)、炎、大地、風の六種類が存在するらしい。
それぞれ相反しあう属性があり、属性を考えて魔法は使わなければいけないという。
あとはやっぱりステータスもあるらしくて、学校で詳しく調べるとのこと。ステータスはHP,MP,SPの三つがあって、それぞれ体力・体内魔力・瞬発的なスタミナを表すそうだ。この他に攻撃力とかも表示してくれるんだとか。
その後も魔法に関するレクチャーをいろいろと受けて話は終わりとなった。今日は意外と遠くまで来れたので、早ければ王都には昼頃にはつくかもということ。
ちなみにこの世界ではラノベと同じく【冒険者】が存在していて、主な仕事はモンスター退治だそう。
それらは冒険者の強さ的に称号が得られ、最高位の者たちはエストレジャと呼ばれるということや、個人の強さはランクF−からSSS+までに分類されるということも教えてもらった。ついでにアスラのランクはA−だそうだ。
他にもいろいろモンスターのことや、役に立つ薬草のことについて、それと後はちょっとだけ魔法を使うのい必要な詠唱の技術や魔力の練り方も教えてもらった。
ということで、いろいろあった一日だがとりあえず終了。
ほんと、なんでこんなとこにきちゃったかなぁ……
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