......いつも通り美味しい。なあ咲夜。幸せってのはこういう一時のことを言うのだろうかね。( 待つ暇もなく用意された品は作り置かれていたにも限らず芳醇な香りをわきだたせており、心落ち着かせる紅茶の渋味に水気を孕んだ息を吐く。普段なら煩わしさを覚える木枯らしでさえこの一時の前では安らかな音楽と化し、アップルパイの絶妙な歯応えは饒舌な吸血鬼の舌を唸らせて。 )