北風 2016-09-11 16:47:48 |
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「まあ取り敢えず着いて来給え。食事が冷める」
「え、でもこの服のままじゃちょっと……万が一汚してしまっても私弁償できないですし……」
「ああ別に構わないぞ。どうせ僕は持って居ても着ない事だしな。君に差し上げよう」
「ええ゛っ!?」
鴫羽さんがさらりと吐いた言葉に、私は仰天する。
どうする私。
60万貰ったぞ。
…………。
「っていやいやいや! 頂ける分け無いですよ!」
一瞬金額の大きさに靡きそうになった自分を心の中で叱咤する。
「ていうか貰い物なんでしょう!? 大事にしてあげてくださいよ!」
「だが君の服は今洗濯して居るし……それに送り主とは別に其れ程深い間柄でも無いぞ?」
「深いですよ! いや私その人知りませんけど! 60万でしょう!? と、とにかく私は貰えませんから!」
「むぅ……其処まで言うのなら仕方無い。君には僕の私服を貸して遣ろう」
「あ……はい。それでお願いします」
やっと納得してくれたようで、鴫羽さんは押入れを漁り始める。
また凄い値段の物出してこなきゃいいけど……。
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