こんな時しか食べれないもんね。 (いつだったか、まだ前の主が優しかった時。一つだけ余ってくすねた、大事に大事にしまっていた苺大福を探し棚を漁る。日中は他の兄弟がいるし、兄弟でなくとも目が多いこの本丸では皆が寝静まった今がチャンスなわけで。たしかここのはず、と手を突っ込んだ先で触れた硬い感触。きっとお皿だ、と引き抜けば、それは確かに皿ではあるのだが、乗っている大福は見るに堪えないゴミとなっていて。そりゃそうか、時間が経ち過ぎた。自分達の過去の時間を見ているようなその汚いゴミを、溜息と共に、ゴミ箱へと投げ捨てて)