八咫鴉 2016-08-27 17:34:53 |
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あぁ?どう見たってチビ―…、た、食べ…!?、ちょ、待ってや、落ち着け、俺が悪かった!
(現実から目をそらすように、目の前の存在から目を背け、頭を抱え込み地面を見つめ。これからどうすればいいのだろうか、こんなわけのわからない場所で、正体不明の男と一生を過ごす羽目になってしまうのだろうかと、唸り声を上げ。急に吠えるような聞こえてきた声にびくりと体を震わせて、後頭部に回していた手をどけ地面から目線を上げると、わなわなと震えているその体。己の発言を否定する声、だが足元の下駄は10センチほど高く、それでも自分からすれば小さいものは小さく。混乱によるイラつきもあるのか、ぶつける様に言葉を言いかけるが、その次に聞こえてきた食らう、という物騒な声に言葉をぴたりと止め。近づいてくる姿にさっきの威勢はどこかへ行ったのか、途端情けない声を上げながら透明の壁に当たるまで後ずさりを。怯えよりも焦りを含んだ表情で顔を見上げて、事の行く末を見守り。やがて男の怒りが収まったのか聞こえてきた鼻息に助かったと安堵の息を吐いて。次に耳に聞こえてきたのは、またもや理解のできない言葉、しかし先ほどの一通りの騒動があったせいか最初よりは落ち着きも取り戻しているようで、すんなりと男の紡ぐ言葉が頭の中に入ってくる。それでも、男の言葉どこか古臭いこともあってか全ては理解できていないようで、「…えーっと?難しいことはわからんのやけど、つまり、俺にはもう自由がないっちゅうことでええんか?」いくら知識がほとんど薄れてしまっているとしてもここに閉じ込められている時点で、自分にはもう自由などないのだということはわかる。顔を伏せ思考に浸っている間、先代巫女――おそらく、祖母のことだろうか、生気が云々言っているところで祖母の命はもうないのだということも悟り。でも、ようやく村を出て自由を得て未来予想図も具体的な形を描いていたところなのに、こんなところで人生を終わりにしてたまるか。地面におかれていた両手を握り締め、勢いよく顔を上げて「生きるか死ぬか、先代とか期限そんなん知らんわ。俺はここから出るで。自由をなくすなんて絶対に嫌や」見下ろすように自分を見つめる視線に、力を入れて見返して。そこには先程まであった戸惑いも混乱も、何もなく、ただ強い意思が。先程まで張り詰めた糸のような空気だったのに、目の前の男はそれをすぐに緩めさせ。なにか考え事をしている男を、なにしてんだと怪訝そう見つめ。様子を見守っていれば男は、なにか閃いたように軽い音を両手で出せば告げたことのない自分の名前を口にし。それに今度は目を丸くさせるように見開き、「え……、なんで俺の名前知っとん?言ったことなかったはずやけど」何度も瞬きを繰り返し、ただ驚きを顔に出すばかりで、)
(/ 本当ですか?そうだと嬉しいです…。はい、了解しました!、ではこちらも失礼させていただきますね、)
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