時計の音とBGMのみが流れる暖かい空間は、先ほどまでの睡魔を呼び起こす。 いつしか睡魔に負けた藤白を起こしたのは、先ほどまで奥に座っていた彼だった。 「あの、ここで寝たら風邪引をひいてしまいますよ」 肩を揺すられゆっくりと目を覚ました藤白が慌てて時計を見ると、閉店時間が30分程過ぎていた。 「起こしてくれてありがとうございます」