無名 2016-08-15 15:44:54 ID:16c2a71f2 |
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私たち、子供にとってそれは苦痛でしかない。
いつ開いても同じ色しか映らない瞳を壊して死んでしまいたいと思うこともある。
けれどー…。
「朝ご飯まだかなぁ、今日はパン何味だろう」
呑気で頭のねじが一つや二つ足りない兄さんを残しては**ない。
膝を抱え、目を瞑る。永遠とも言い替えたい時間をこの監禁場所で過ごし、私は推測11歳となり、兄は多分14歳。
文字だって満足に書けない。魔女、悪魔と呼ばれる私たちに人権はない。
突如として、キィッと金属でできた重い扉が開く。そこにいたのはいつもと同じ劣悪な顔の男だった。
「…おはよう、ございます……」
苦笑いしながら、庵兄さんが挨拶をした。
男は顔色ひとつ変えずに、片手にパンを持って近付いてくる。
パンをみたら恥ずかしいことに、お腹が鳴った。
ガァアンッッ!!
「痛っ!……」
その時私は多分変な顔をしていたと思う。男が、思いきり兄さんの髪を引っ付かんで、投げたのだ。
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