月 2016-08-05 23:20:23 |
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「お帰りなさい」
「あぁ」
消え入りそうなアレンの言葉に、神田はそっけない返事を返した。
「『あぁ』って、もっと言う言葉はないんですか」
呆れたようなアレンの声を隣で聞きながら、神田は呼吸をするかのようにたった一言思っていた言葉を発する。
「会いたかった」
神田ユウが発した言葉はあまりにも短く些細な言葉だったが、しかし紛れもない本心であった。
しかし不意を突かれたアレンにとっては自身の顔を薄紅に染めるには十分なようであり、神田の胸元に顔を埋め羞恥を隠さずにはいられなくなる。
そのことに欠片ほども気づけずにいる神田にとっては、アレンの行いは『誘っている』としか思えず、再び口付けをしようと試みたのだが、それはアレンの手により阻まれてしまう。
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